MENU

ベイビーステップから学ぶメンタルトレーニング

 

Twitterでも投稿したことがあるのですが、個人的に読んでいてとても勉強になるな、と思ったベイビーステップについて書きます。

読みながら度々これは陸上にも通じているなと感じながら読んでいました。

 

不安を書き出す

f:id:aoi0351:20230122051548j:image

主人公は練習や試合中にノートを取ることで有名になる選手です。みなさんも日誌などで反省を書くと思いますが、試合中の休憩時間にもノートを取っています。(陸上ではできないですが)
ここで注目してほしいのは、今ある不安を書き出しているということです。これの何が大事かと言うと、漠然とした不安ほど精神的に悪いものはないと思っていることです。なんかよく分からないけど不安だな、という状態から、こういう要因で不安になっているのか、と理解することで漠然としたものが明確になってきます。そしたら解消できるものは解決策をまず考える、どうしても解消できないものは受け止める、ということができます。スポーツでパフォーマンスを発揮するにはある程度のプレッシャーは必要だと思うので、不安は完全に消し去る必要はありません。主人公はこういうどうしようもないものを受け止めつつ、心の中に20~30%ほど残して試合をすることで能力を発揮しています。

悪いことを想定しよう

f:id:aoi0351:20230122051541j:image

一番見てほしい場所です

ここで質問ですが、みなさんはレース前にイメージトレーニングはやっているでしょうか?やっている人はどのようにやっていますか?
私の身近には、レース当日の流れで展開を考える、一番良かった時を思い出して最高の状態を想像する、という人がいます。この漫画の主人公は後者です。
この画像のシーンは、他のプロとも接してみよう、ということでボクシングのプロと対話をする場面です。ここで主人公にとって意外だったのは、「悪いことを想定する」ということです。ボクシングは気を失うこと、骨が折れることなどがあるそうで、もしそういう辛い状態になったとき想定していないと簡単に根をあげてしまうらしいです。ただ、そんな状態も想定することで、きつい時にギブアップせず耐えることができるということらしいです。
私もこの考えには賛成で、陸上のイメージトレーニングでも悪い時のことも想定します。なぜなら、陸上でも当然苦しい場面はあって、自分に負けてしまうということはあるからです。5000mなら3000mから、10000mなら7000mからがこれに当たるでしょう。いいときはこのときでも余裕を持て、後半上げることができると思います。ただ、それはピーキングを完全に合わせたレースで自然と楽ということは稀だと思います。そしていいイメージだけだとその想定と感覚が違うとき、あっさり諦めてしまってはいないでしょうか。その点、悪い時を想定しているときつい時に粘ることは当たり前に想定しているので、体の動かし方・呼吸を変えるなどして粘ることができます
これはレース展開でもそうで、各々記録を狙える時の位置取りというものもあるのではないでしょうか。私なら先頭から3番目でレースを進めることです。ただ、この位置をとれる確率はあまり高くなく、日体大記録会ではむしろ一番後ろまで下がってしまうこともあります。私はレース展開でも、後ろになってしまった場合、中間の場合、いい位置でいれた場合、などほぼ全てのイレギュラーを想定します。そうすることで、悪い展開でも落ち着いて焦らずレースを進めることができます。例えば5000mのレースで後ろになってしまった場合でもすぐに前に出ずじわじわポジションを上げていって、3000m地点で前5番目くらいいいればいいや、という感じです。
気を張りすぎることは良くないと思いますし、ある程度は適当に考えることも大事だと思います。ですが、正直イメトレを全くやらずノープランというのは私は賛成できません。結果を残すためならアップや前日などからイメージをして、最大限事前準備するのが当然ではないでしょうか。

 

いい時を思い出そう

とはいえレース前はいいイメージを持ちたくて、最高に良かった時のことを思い出す人も多いでしょう。その時、みなさんはどのレベルまで記憶を想起しているでしょうか?

漫画の主人公は課題を一つずつ克服して強くなっていくタイプです。当然この場面もそうしたいのですが、試合前まで時間がない時、「1日で効果の出る練習をしたらどうだ?」と言われた時のシーンです。

まずは主人公に好きな人のことを思い出させようとします。当然気持ちがふわふわしてパフォーマンスは発揮できません。逆に試合で上手くいった時を思い出させると、見るからにいいボールを打ちます。これがイメージトレーニングの成果ですね。ただ、思い出すと言っても場面を思い出すだけでなく、色、音、動き、暑さなどあらゆる場面を鮮明に思い出します。そうすることで集中モードに入ることができるのでしょう。皆さんもいい時を思い出すならより鮮明に、可能なら動画を見ながら周りの音や熱まで想起させることで更に深い集中に入れるのではないでしょうか。

 

坐禅の効果

f:id:aoi0351:20230122051545j:image

最近読んだ漫画だと、ベイビーステップとマラソンマンでやっていた座禅。なにも座禅は効果的だからやりましょうという話ではない。この漫画では主人公が「ゾーン」に自分から入ることができないか、という時に取り入れた練習です。
目の前のものに集中するだけ、周りのことが気にならない時にいいパフォーマンスが発揮できると思っています。なので座禅とまではいかなくても、意識して何も考えない状態や、目の前の物事のみ考える状態を練習しておくことで、意図的に集中状態に入ることができるのではないかと思います。自然と今日集中できるな、ではなくその状態を意識的に起こす、ルーティンなんかはそのためにあるのかなと思います。